映画鑑賞の記録

私の映画感想文と、映画に関する文章などです。


5-1154  雲ながるる果てに

  1. 2016/08/16(火) 23:00:00_
  2. 家城巳代治
  3. _ comment:2
雲ながるる果てに  1953年・日本



雲ながるる果てに




 
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2016年8月16日(火)  日本映画専門チャンネル

監督 家城巳代治
主演 鶴田浩二 / 木村功

感想
この映画は、「雲ながるる果てに  戦歿飛行予備学生の手記」(こちら)という
特攻隊の遺稿集を元にした作品で、
ほとんどドキュメンタリーのような作りです。


もしかしたら、俳優のお顔が分からないお若い方には
「ドキュメンタリーのような作り」ではなく、
もう「ほぼ、ドキュメンタリー」なのかもしれません!



私は俳優陣のお顔が分かって、懐かしく、でも皆さん、私の知るよりずっとお若くていらして
ほーとか、へーとか、そんな感じでした。
(特に鶴田さんは、私の知っている嫌な感じがとても少なくて、良かったです☆)

映像は良くない部分もあったけど、まぁ見られない事はなかったです。
リマスターして綺麗にしてほしいです。
(最終盤にほんの一部ですが、とても残酷な実写フィルムが使ってありました)

音声は残念ながらいまいちでした。
ただまぁ字幕が必要なほどか?というと、ギリギリのところでした。
もちろん字幕があった方が良いです。
聞きとれない台詞はありました。 (40年代の作品よりはマシです)



いろいろなシーンが胸を打ちました。

一番は?と聞かれれば、
最終盤の「特攻隊はいくらでもある」の台詞の直後の
子供たちを大写しにしたシーンですネ。


やっぱり、いつの時代も上層部は平気なのですね・・・
自分の息子さえいなければ良いのですネ・・・
自分でさえなければ良いのですネ・・・
特攻という制度?を考えたのは、きっと、自分や自分の大切な人が
それに当たらない人だったのでしょうね・・・。

でも、あまりにひどい台詞だったので、この部分はフィクションと思いたいです。
もしかしたらそういう証言があって事実かもしれないけど、残酷というより
お前、人間じゃねー、です。



映画とは言え、最後の大滝中尉の「ご家族の間に合わなかった事」が
本当に可哀想でした。

お父さんは万歳、お母さんは祈りの手でまさお!
よっちゃんは手を振る・・・

そこにかぶってゆく実写と、彼の遺書。。。
「きわめて健康」、の文字に、本当にバカな政策と・・・。



でも、面白かったり、ほっこりとするシーンもありました。

ドイツ語の原書と言って漫画を読む 
妻の自慢 
近所の子供達と遊ぶ
お酒飲んでどんちゃん騒ぎ
普通の、青年達、だったのだと、しみじみ分かります。



でも、やっぱり思う、今までの自分の人生の事・・・
北国の想い出・優しい母の想い出
雇い兵と言われてビンタの嵐
怒られたことばかり・・・
木村功さんの役柄が一番近しかったです・・・



「戦争のない国で待っている」
今現在も地球で戦争のない日はありません。。。




最後に、ドキュメンタリーのような作りで、この神風という特攻隊の
この時期については、この作品は優れているとは思いますが、
最近作られる、こういう系統の映画の多くが、
その頃の事だけではなく、戦後の事や、
今現在の事も描写する作品になっていると思うので、
一概に比べる事は出来ず、それぞれの作品を
それぞれに、考えさせられたり、かみしめたりすれば良いのだと思いました。



追伸:何気に酷いと思った人物は、お金儲けに走っていたオバサン達です。
「お気の毒にね~」とか口では言うけど、その顔には「私の息子でなくて良かった」と
書いてありました。




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comment

観て頂き、ありがとうございます

  1. 2016/09/03(土) 01:35:33 |
  2. URL |
  3. 鉦鼓亭
  4. [ 編集 ]
 miriさん、こんばんは

でも皆さん、私の知るよりずっとお若くていらして
>随分、昔ですけど初見の時、山岡久乃さんが解りませんでした。
(若い時から、あの顔なんですけどねぇ~20年近く、記憶の中で、あの役は音羽信子さんと勘違いしてました(汗))

聞きとれない台詞はありました
>今の人達は、たとえ聞き取れても「悠久の大義」なんて意味知らないと思います。
あの当時、日常的に使われた言葉の多くが戦後封印されたから、時代劇言葉と同じで解り難いのもあると思います。

(特に鶴田さんは、私の知っている嫌な感じがとても少なくて、良かったです☆)
>鶴田さん、映画で初めて見たのはこの作品のような気がします、だから、それ程、悪いイメージは無かったような、ヤクザ映画は観ないし・・・。
岡田英二さんには厭な印象を持ったかもしれません。(笑)

特攻という制度?を考えたのは
>内地の作戦部で検討はされてました、しかし生還の見込みゼロの作戦は「統率の外道」として何度も却下されました。
それを動かしたのは戦局と最前線で戦ってた航空隊の隊長、隊員クラスの強い要望、軍令部の手詰まり。
前線に送られる補充兵は練度が低く、敵に撃たれる為に空へ上がる状態、最前線部隊では同じ死ぬなら、せめて目に見える目的が欲しい~勿論、隊長クラスは内地の参謀と違い、その時は自分が行く事を前提に意見具申~という事だったとか。
それを実行に移したのが「特攻の鬼」と言われた大西中将。(決してキチガイじゃなく、明晰な人だったとか)
後に日本男子全員特攻!みたいに狂気を孕みますが、彼にしても起死回生のレイテ作戦限定で、これで負けたら後は降伏しかないと思って始めたのです。(レイテ海戦で帝国海軍はほぼ壊滅、アメリカの損傷は軽微)
戦争は始めるより終わらせるのが何倍も難しいと言いますが、そこに日本人特有の責任分散と決められない優柔不断が加わり、レイテ後、沖縄、広島、長崎までほぼ思考停止、それまで、どれだけの死ななくていい人達まで死んだのか!
特攻作戦に深く関わった将官の生死
(陸軍)
東條英機大将>自決未遂の後、巣鴨プリズンで刑死
富永中将>レイテ前、最後は自分が後を追う、と飛行兵全員を特攻させ敵が上陸すると一番に逃げ出し、戦後を生き延びる。(長男は特攻死)
(海軍)
大西中将>終戦直後自決
宇垣中将>終戦翌朝、「皆の元へ詫びに行く」と爆撃機の後部座席に乗り沖縄へ特攻
その気持ちで長官室で自決すればいいものを、爆撃機の操縦士、護衛10機を道連れにする。(機体不良の為、3機は途中不時着)
勿論、皆、志願だけど、当時の空気、教育の中、「沖縄へ行く」と司令官が言えば「お供します!」と手を挙げるのは解ってる事、ここだけは阿南大将、大西中将が部下に追い腹を禁じ一人で死んだだけ偉いと思う。
これは「宇垣特攻」と言われ、敗戦後の死亡なので戦死扱いされず、道連れにされた人達は階級特進も遺族年金もないという二重の悲劇を生みます。
(この人は、立案した自分の面子の為、自転車の荷台に重い荷物を載せヨタヨタ状態で暴走族の群れに突入させるような「桜花特攻」で一度に100人以上皆殺しにした前科持ち)
源田参謀>彼の作った本土防衛用の精鋭部隊松山三四三航空隊に、これも面子から特攻を強要、説得に断固反対し首を縦に振らなかった部隊長が「参謀も一緒に出撃するなら喜んでお供します」と言った途端、一番列車で東京へ逃げ帰る。戦後、参議院議員。

普通の、青年達、
>そうなんです、特別じゃない普通の我々だったんです!

Re: 観て頂き、ありがとうございます

  1. 2016/09/03(土) 10:00:53 |
  2. URL |
  3. miri
  4. [ 編集 ]
鉦鼓亭さん、こんにちは☆
コメントを有難うございます☆

こちらこそ、素晴らしい作品をご紹介下さり、
有難うございました!

山岡さんと音羽さんは、ちょっとタイプが違うというか(笑)
まぁお若い男性が気になるような年齢の女優さんではなかったですものね(笑)

> あの当時、日常的に使われた言葉の多くが戦後封印されたから、
>時代劇言葉と同じで解り難いのもあると思います。

そうですね~
(現在作られる作品が)映画となって公開されるときには、
時代劇でも戦前戦中が舞台の作品でも
見てもらえなければ意味がないので、仕方ないのではないでしょうか?

その中から一部分の方でも、ご興味を持たれる方が
本物の時代劇言葉や戦中までの言葉を、勉強してゆかれれば
それで良いような気がします☆

>鶴田さん、映画で初めて見たのはこの作品のような気がします、だから、それ程、悪いイメージは無かったような、ヤクザ映画は観ないし・・・。
> 岡田英二さんには厭な印象を持ったかもしれません。(笑)

鶴田浩二さんが何故いまひとつ好きでないかはよく分からないのですが
あんまり見たこともないし・・・
世間的に2枚目と呼ばれる人は嫌いなので・・・(今ならキムタクとか福山雅治とかです)

この映画では岡田さんはちょい役に近かったのであまり印象なかったですネ~
俳優さんそのものは、まぁ好きな方です・・・「砂の女」見てからだと思います。


以下、詳しく書いてくださり、有難うございました。
知らなかった事も多かったです。
戦争はしてはいけませんね、本当に☆

普通の若者が、
お若かった頃の鉦鼓亭さんご自身や、
現代の私の息子やそのお友達が、
そういう目にあわずにすんできている、この平和な日本を、
ずっと大切にしないといけませんね~!!!


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